V2Hとは?【電気自動車から家庭へ電力を供給する仕組み】

V2Hとは?【電気自動車から家庭へ電力を供給する仕組み】

V2H(Vehicle to Home)は、電気自動車(EV)に蓄えた電力を家庭へ供給できるシステムです。通常は車として利用するEVですが、非常時の電源電気代削減のため、家庭用電源としても活用できます。

近年、電力料金の上昇や災害への備えが重視される中、エネルギーの自給自足を実現する選択肢のひとつとして注目されています。


V2Hの仕組み

必要なものは、

  • 電気自動車(EV)
  • V2H対応の充電器(パワーコンディショナー)

この2つです。V2H対応の充電器を設置することで、

  • 家庭からEVへの充電
  • EVから家庭への放電

この双方向の電力のやり取りが可能になります。停電時にはEVが蓄電池の役割を果たし、電力供給を維持できます。


V2Hの導入メリット

1. 停電時の非常用電源として活用

災害時や停電時でも、EVの電力を家庭に供給できるため、

  • 冷蔵庫
  • 照明
  • スマートフォンやパソコン

など、必要最低限の設備を稼働できます。EVのバッテリー容量は40kWh〜60kWh程度が一般的で、一般家庭の2〜3日分の電力を確保できるケースもあります。特に全負荷対応のV2H機器を導入すれば、家庭内のすべての回路に電力を供給でき、停電時でも日常に近い生活環境を維持できます。

2. 電気代の最適化

夜間の電力料金が安い時間帯にEVを充電し、昼間の電力料金が高い時間帯にEVから家庭へ電力供給することで、電力会社から購入する電力量を抑え、電気料金を削減できます。特に時間帯別料金プランを採用しているご家庭や企業では、電力コストの最適化が期待できます。

3. 太陽光発電との連携で自給自足へ

昼間に太陽光発電でつくった電気をEVに充電し、夜間にその電力を家庭で使用することで、売電価格が下がっている現在でも、自家消費率を最大化できます。太陽光発電+V2H+EVの組み合わせは、再生可能エネルギーを最大限に活用する手段として注目されています。


費用感

  • V2H対応充電器本体:40万円〜80万円
  • 設置工事費用:20万円〜30万円
  • 合計:60万円〜110万円程度

※補助金対象となる場合もあり、費用負担を抑えることも可能です。


蓄電池との比較

項目 V2H(EV+充電器) 家庭用蓄電池
蓄電容量 40〜60kWh(車種による) 5〜12kWhが一般的
停電対応 長時間バックアップ可能 短時間のバックアップ向け
利用頻度 車としても使用 家庭の電源専用
初期費用 60〜110万円+EV本体 100〜150万円程度

大容量の電力を確保したい場合はV2Hが有効ですが、日常的な電力管理や自動制御には蓄電池が向いています。それぞれの特性を活かし、併用するケースも増えています。


まとめ

V2Hは、

  • 非常時の電力確保
  • 電力コストの削減
  • 再生可能エネルギーとの連携

を実現する新しいエネルギーソリューションです。電気自動車をお持ちの方、これからEV導入を検討している方にとって、家庭や企業のエネルギー最適化を図る有効な手段としておすすめです。

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